ICTだより
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今回は、ICTだより
「千射万箭悉皆新」を紹介します。
誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)について
近年、SNS等(インスタグラム、X)のプラットフォームサービスの普及に伴い、インターネット上で気軽に自由なコミュニケーションを行うことができるようになりました。
一方で、中学生や高校生が、匿名のまま不特定多数に向けて特定の個人の誹謗中傷(悪口など)を書き込んだり、特定の個人のアカウントに対して一方的に誹謗中傷のメッセージ等を発信したりする事例も発生しており、深刻な問題となっています。
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誹謗中傷は、「誹謗」+「中傷」が合体した言葉です。
「誹謗」・・・悪口、が陰口、そしり
「中傷」・・・根拠のないことで人を傷つけることを意味します。
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誹謗中傷した人がどんな罪に問われるの?
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具体的な事例で考えてみる。
(※架空の学校の架空の事例です。特定の県や学校についての実在する内容ではありません。)
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○○県△△市立高校では、ある部の流行病の感染者数が100人にのぼった。学校の批判に加え、生徒を中傷するような電話が1000件を超えた。
集団感染は、部員のほとんどが寮で共同生活していたことが原因とみられ、学校の記者会見では、「学校側の対策が十分ではなかった。」と謝罪。
そのうえで、「生徒に落ち度はない」と強調した。
しかし、ネット上では、生徒の活動を紹介する同校の公式HPも標的となった。
○○県大会で準優勝した際に野外で祝福する写真に対しては、「マスクも着けずにウィルスをばらまいている」との批判が殺到した。
学校側は「個人が特定される。」として写真を削除した。
テレビの情報番組がこの事件を取り上げたことで、さらに拡散。
○○県は写真が転載された二十数件のサイトについて
「人権侵害の恐れがある。」として、○○県法務局に通報し、
削除依頼をする異例の措置をとった。
心身の不調により約30名の生徒から「寝れない」「学校に行けない」
などの相談があった。
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(※架空の学校の架空の事例です。特定の県や学校についての実在する内容ではありません。)
この文章を読んで、あなたが良くない、誹謗中傷になると感じた部分を書いてみましょう。
この文章を読んで、あなたが誹謗中傷を受けた場合、どのように対応するべきか考えてみましょう。
(1)信用毀損罪と業務妨害罪
学校の批判に加え、生徒を中傷するような電話が1000件を超えた。
誹謗中傷は、信用毀損罪又は業務妨害罪として、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金で処罰される場合があります。信用毀損罪及び業務妨害罪は、虚偽の風説を流布して、人の信用を毀損したり、人の業務を妨害したりする場合に成立します。
(2)プライバシー権の侵害、人権侵害、個人情報保護
生徒個人が特定される。人権侵害の恐れがある。
誹謗中傷が犯罪行為に該当するような場合は、誹謗中傷を行った者は、民法上の不法行為に基づく損害賠償責任を負担します。→具体的には「慰謝料等」の支払い。
また、プライバシー侵害は犯罪ではありませんが、プライバシーを侵害するような誹謗中傷も、不法行為に基づく損害賠償請求の対象となり得ます。
+++まとめ+++++++++++++++
「誹謗中傷」という言葉の意味、具体例、そしてその結果どうなるかを確認していただけたかと思います。
インターネット社会は、良くも、悪くも「匿名」です。
普段は言えない誹謗中傷を言いやすい。このくらいなら大丈夫だろうなどと考えている人も少なくないでしょう。
もしかしたら、現実社会とは、どこか違う世界の話。自分には関係の無い話だと感じた人もいると思います。
インターネットは商工生だけのものではありません。
「みんなのもの」です。
今は、インスタグラムやXなど非常に便利なSNSがみなさんの身近にたくさんあります。
写真や文章をSNS上に投稿する前に、誰もが利用する現実社会と同じもうひとつの「現実社会」なのだということをもう一度確認してもらえたら嬉しいです。